40代になっての転職には、諦めにも似た気持ちがあった。
前向きな気持の転職であったら気の持ちようも違ったのかもしれないけど、僕は後先考えずに逃げるように会社を辞めてしまった。
離婚後長く付き合っていた彼女と別れてからというもの、ほとんど休みの無い毎日に疑問を感じ始め、好きな自転車にも乗れず、「何のために仕事をしているんだろう」なんて気持ちに。
家庭を持つ人からは責任のない発言を怒られるだろうな。
でも自分の中では、いっぱいいっぱいだった。
辞めてすぐに家を飛び出した。
あても無く電車、高速バスを乗り継ぎ、アチコチを転々とする。
秋田、飛騨、京都、広島、熊本、鹿児島・・・。
何かを探そうと旅に出たものの、色んな事と向き合うのを止め逃げ出した自分に何も悟るものは無く、一ヶ月して戻った僕の心にあったものは
「さて、これからどうしよう、勢いで辞めたのはよいけれど、この先自分に仕事はあるのか?」
という、現実的な問題だった。
リクナビに登録すれば「必要な応募数10社」なんて表示されるし、求人の多くは30代まで。
「こりゃ駄目かな」
なんて諦めにも似た気持ちの中、就活を開始した。
僕の前職は建築関係。
営業設計的な業務もしながら現場監督をしていた。
求人を見ればたくさんある。
でも、同じ過ちはは繰り返したくなかった。
以外に仕事は早く決まった。
1社目は二次面接で落ちたが、2回目は3社同時に申し込み、その内の1社に引っ掛かった。
意外な事に決まったのは名の知れた住宅メーカー。
給料は一人暮らしには十分、休みは週休2日、残業もさほど多くない。
出来過ぎだ。
とても拍子抜けではあったけど、一ヶ月半の本社での研修を経て新宿への配属が決まった。
そして埼玉への引越し。
新しい生活が始まった。
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